朽木の青緑をたどる
森で先に目に入るのは、キノコより青緑色になった木の破片かもしれない。Chlorociboria aeruginascensは、枯れた木に菌糸を広げる子嚢菌である。表面に小さな杯が出ているときは、その色と材の着色が連続するように見える。 [2] [3]
豪州の森林菌類の資料は、腐朽した材に小さな杯が多数まとまって生じる姿を記載している。ひとつひとつの杯は小さく、落枝を裏返したときに初めて見えることもある。大きな地上の傘菌とは、観察する場所も縮尺も異なる。 [2] [3]
小さな杯と目立たない柄
杯の内側はなめらかで、縁は初め比較的整っているが、成長すると波打ったり左右非対称に開いたりする。下には非常に短い柄があり、同じ青緑から黒っぽい色を帯びる。横から見なければ、材に直接貼り付いた皿のように見える場合がある。 [2] [3]
MycoKeyの専門家による写真には、深い杯形、浅く開いた形、まとまって並ぶ形が掲載されている。すべてが同じ向きに整列した花畑ではない。杯の向きや縁の変化を見分けると、小さな子実体にも発達の違いがあることが分かる。 [4]
木の色は葉緑素ではない
青緑色は、緑の植物がもつ葉緑素と同じものではない。スコットランド植物学会の現地観察報告は、この菌類の色素キシリンデインに着目している。木にまで色が広がるのは、菌糸と色素が材の内部に関わるためで、表面に緑の塗料が付いた状態とは違う。 [3]
着色した材は、装飾的な木工にも利用されてきた。ただし、青緑になった木だけで本種を特定することはできない。同じ属の別種も材を染めるためである。色の由来を知ることと、菌の種名を確定することは分けて考えたい。 [2] [3]
日本での名前と似た種
群馬県立自然史博物館の収蔵標本では、本種にロクショウグサレキンモドキの和名が対応する。本ページのグリーン・エルフカップは英語呼称に基づく掲載名であり、別の新しい標準和名を作ったものではない。 [5]
よく似たChlorociboria aeruginosaも青緑の杯をつくり、英語では同じGreen Elfcupと呼ばれることがある。外観は非常によく似ており、確実な区別には胞子などの顕微鏡的な形質を調べる必要がある。写真の鮮やかさだけを識別の決め手にはできない。 [3]
腐朽材の上の地域ごとの記録
国内では群馬県の標本に採集地と日付が残されている。豪州の資料は複数州からの記録を、スコットランド植物学会は現地の広葉樹林の落枝での観察を示す。こうした資料は、それぞれ具体的な地域の存在を示すものとして読むことができる。 [5] [2] [3]
同じ青緑の材があることだけで、周囲のすべての木を本種の宿主と決めることはできない。報告された材と、その上に見える子実体の対応を確かめることが大切だ。小さな杯そのものと、その菌が暮らす木の両方が、この菌の姿を伝えている。 [3] [2]
読み分けるポイント
青緑の木を見つければ種まで分かるか?
材の着色だけでは決められない。近縁のC. aeruginosaも青緑の杯と着色材をつくる。確かな区別には子実体の確認に加え、胞子などの顕微鏡的な形質が必要になる。 [3]
作品:ドットで描く判断
以下は制作時の原文と作品である。参照名や造形判断は制作時の記録として保持し、上の図鑑の分類範囲と区別する。
背景と記録
森で先に目に入るのは、キノコより青緑色になった木の破片かもしれない。Chlorociboria aeruginascensは、枯れた木に菌糸を広げる子嚢菌である。表面に小さな杯が出ているときは、その色と材の着色が連続するように見える。
BASE STUDYは資料の形態を踏まえた新しい創作原画であり、採集標本の写真ではない。サイズ別作品では実物の識別点を残し、構図と色面を独立して設計している。
姿の解釈
青緑色の小さな杯。ごく短い青緑から黒っぽい柄。材の内部まで広がる青緑の着色。古くなると不規則に開く縁。
ピクセルデザイン
64×64では青緑の杯、偏心した短柄と染まった材を識別の軸にした。整数格子で輪郭を接続し、細い器官と背景の境目を少数色の明暗で整えている。
補助作品と造形研究
24×24は識別点を少ない輪郭で整理した研究。補助64×64は別姿勢から形態を読む独立作品。128・384・768は構図・輪郭・色面・余白をそれぞれ設計し、BASEや小さい作品の拡大・トレースではない。
PIXEL ART / 24×24
特徴を絞り込んだ24×24作品。
BASE STUDY
ドットにする前に、体の比率と立体を検討した下描き。
青緑の杯、偏心した短柄と染まった材の立体と質感を検討した自然史イラスト。写真の複製や同定標本ではなく、資料の観察内容と創作的な表現を区別した完成原画である。
解像度別ネイティブ作品
NATIVE PIXEL ART / 128×128
識別点「青緑の杯、偏心した短柄と染まった材」を大きな輪郭と交差する色面で構成した独立128×128作品。
NATIVE PIXEL ART / 384×384
器官の向き、重なりと輪郭を128版から描き替え、斜めの面と細い反復線を対比した独立384×384作品。
NATIVE PIXEL ART / 768×768
別の主軸と器官配置から全体を構成し、広い色面と細密な構造の密度差を設計した独立768×768作品。創作の色は実際の菌の色を示すものではない。
特徴一覧
- 青緑色の小さな杯
- 短い偏心柄
- 菌糸に染められた青緑色の材
出典・参考資料
図鑑の参照資料・確認範囲
- GBIF:Chlorociboria aeruginascensの固定種レコード — GBIF Backbone Taxonomy
- Chlorociboria aeruginascens:豪州森林菌類の形態・地域記録 — 101 Forest Fungi/Lucid
- 現地観察による青緑の杯と着色材 — スコットランド植物学会
- Chlorociboria aeruginascens:採集写真 — Jens H. Petersen・Thomas Læssøe/MycoKey
- ロクショウグサレキンモドキ:収蔵標本FF1001219 — 群馬県立自然史博物館
出典は、本文・要旨・書誌情報・データベース・検索結果の抜粋を区別して示しています。引用の範囲を超えて種の性質を一般化しないでください。
- GBIF:Chlorociboria aeruginascensの固定種レコード GBIF Backbone Taxonomy ↗
- Chlorociboria aeruginascens:豪州森林菌類の形態・地域記録 101 Forest Fungi/Lucid ↗
- 現地観察による青緑の杯と着色材 スコットランド植物学会 ↗
- Chlorociboria aeruginascens:採集写真 Jens H. Petersen・Thomas Læssøe/MycoKey ↗
- ロクショウグサレキンモドキ:収蔵標本FF1001219 群馬県立自然史博物館 ↗
このページでは、研究機関や公的資料で確認できる名称・分類・形態・分布の情報と、samesamebangbangによる造形の解釈を分けて書いています。特定の写真や図版を転載したり、そのまま模写したりはしていません。色や形には個体差があるため、ここに描いた姿を唯一の正解として示すものではありません。また、食べられるかどうかの判断や、採取・摂取のための資料でもありません。