水滴の上に載る、小さな黒い帽子
細い透明な軸が伸び、その上に大きな透明の膨らみ、さらに黒い半球状の胞子嚢が載る。通常の傘とひだを持つキノコとは違う構造だ。二〇〇八年の種別記載は、膨らみと胞子嚢を別々に測り、その組合せを示す。 [2]
黒い帽子のように見える部分は、胞子の入った胞子嚢である。下の透明な膨らみは胞嚢下のうと呼ばれる。外に付いた水滴だけを描いても、菌そのものが持つ膨張した部分を表したことにはならない。 [2]
光の方向と、一本ずつ伸びる軸
Pilobolus属の胞子嚢柄は枝分かれせず、光の方向へ向く性質を持つ。原著は橙色の色素帯と、レンズのように働く透明な膨らみの関係を説明する。密集していても、一本の柄から木の枝のように分かれる形にはしない。 [2]
ウィスコンシン大学の解説でも、帽子を投げる菌として、透明な膨らみと胞子嚢の関係が紹介される。ただし、属全体の飛距離や速度の説明を、本種の全個体を測った数値として掲載することは避ける。 [3] [2]
草食動物の糞という生育場所
この菌は草食動物の糞上で育つ菌の一つである。サンパウロ動物園の調査では、採取した糞を湿室で観察し、ウマやグアナコ、オリックス、シカ、シマウマなどの材料から本種を記録した。 [2]
これは自然下の世界分布をすべて調べた調査ではなく、一つの施設の糞試料を観察した記録だ。同じ調査では複数のPilobolus種が見つかった。生える場所が同じでも、全ての小さな黒い帽子を同種と決めることはできない。 [2]
帽子を投げる仕組みと胞子
成熟した胞子嚢を放出する際には、胞嚢下のうの破裂が関わる。ハットスローワーという名は、帽子のような胞子嚢を飛ばす属の姿を説明する呼称で、本種にしかない正式名という意味ではない。 [2] [3]
放出される黒い塊は一個の巨大な胞子ではなく、多くの胞子を含む胞子嚢である。作品の一つの動作でこの違いを描く場合も、粒の役割を混ぜない。図鑑では、研究で測られていない速さや加速度を演出から逆算しない。 [2]
似た姿の種を顕微鏡で分ける
二〇〇八年の記載は、本種の胞子を短い円柱状とし、胞子嚢柄や内部の柱状構造の形などを近縁種と比較する。P. pullusは似た点を持つが、柄や胞子の特徴に違いがあるとされる。 [2]
古い文献が置く接合菌門という大きな区分と、現在のGBIFが採用するケカビ系統の分類は表記が異なる。古い記載の形態情報は利用しつつ、現在の分類表記と資料の年代を区別する。黒い帽子の写真だけで種名まで保証するページにはしない。 [2] [1]
読み分けるポイント
透明な丸い部分は、ただの水滴なのか?
先端の大きな透明部分は菌体の胞嚢下のうで、その上に黒い胞子嚢が載る。表面に水滴が付く場合の見た目とは区別する。胞子嚢を放出する仕組みにはこの膨らみが関わり、ひだのある傘とは違う構造をしている。 [2] [3]
作品:ドットで描く判断
以下は制作時の原文と作品である。参照名や造形判断は制作時の記録として保持し、上の図鑑の分類範囲と区別する。
背景と記録
細い透明な軸が伸び、その上に大きな透明の膨らみ、さらに黒い半球状の胞子嚢が載る。通常の傘とひだを持つキノコとは違う構造だ。二〇〇八年の種別記載は、膨らみと胞子嚢を別々に測り、その組合せを示す。
BASE STUDYは資料の形態を踏まえた新しい創作原画であり、採集標本の写真ではない。サイズ別作品では実物の識別点を残し、構図と色面を独立して設計している。
姿の解釈
透明で枝分かれしない細い胞子嚢柄。先端で大きく膨れる透明な胞嚢下のう。上に載る黒い半球状の胞子嚢。光の方向と関わる橙色の色素帯。
ピクセルデザイン
64×64では細い胞子嚢柄と膨らみ、その頂部の黒い胞子嚢を識別の軸にした。整数格子で輪郭を接続し、細い器官と背景の境目を少数色の明暗で整えている。
補助作品と造形研究
24×24は識別点を少ない輪郭で整理した研究。補助64×64は別姿勢から形態を読む独立作品。128・384・768は構図・輪郭・色面・余白をそれぞれ設計し、BASEや小さい作品の拡大・トレースではない。
PIXEL ART / 24×24
特徴を絞り込んだ24×24作品。
BASE STUDY
ドットにする前に、体の比率と立体を検討した下描き。
細い胞子嚢柄と膨らみ、その頂部の黒い胞子嚢の立体と質感を検討した自然史イラスト。写真の複製や同定標本ではなく、資料の観察内容と創作的な表現を区別した完成原画である。
解像度別ネイティブ作品
NATIVE PIXEL ART / 128×128
識別点「細い胞子嚢柄と膨らみ、その頂部の黒い胞子嚢」を大きな輪郭と交差する色面で構成した独立128×128作品。
NATIVE PIXEL ART / 384×384
器官の向き、重なりと輪郭を128版から描き替え、斜めの面と細い反復線を対比した独立384×384作品。
NATIVE PIXEL ART / 768×768
別の主軸と器官配置から全体を構成し、広い色面と細密な構造の密度差を設計した独立768×768作品。創作の色は実際の菌の色を示すものではない。
特徴一覧
- 枝分かれしない細い胞子嚢柄
- 透明な先端の膨張部
- その上に付く黒い胞子嚢
出典・参考資料
図鑑の参照資料・確認範囲
- GBIF: Pilobolus crystallinusの分類レコード — GBIF
- Viriato(2008)Pilobolus species found on herbivore dung from the São Paulo Zoological Park, Brazil — Acta Botanica Brasilica
- Pilobolus crystallinus: The Fung in the Dung — ウィスコンシン大学ラクロス校・Tom Volk
出典は、本文・要旨・書誌情報・データベース・検索結果の抜粋を区別して示しています。引用の範囲を超えて種の性質を一般化しないでください。
- GBIF: Pilobolus crystallinusの分類レコード GBIF ↗
- Viriato(2008)Pilobolus species found on herbivore dung from the São Paulo Zoological Park, Brazil Acta Botanica Brasilica ↗
- Pilobolus crystallinus: The Fung in the Dung ウィスコンシン大学ラクロス校・Tom Volk ↗
このページでは、研究機関や公的資料で確認できる名称・分類・形態・分布の情報と、samesamebangbangによる造形の解釈を分けて書いています。特定の写真や図版を転載したり、そのまま模写したりはしていません。色や形には個体差があるため、ここに描いた姿を唯一の正解として示すものではありません。また、食べられるかどうかの判断や、採取・摂取のための資料でもありません。