巣の中の粒は鳥の卵ではない
ストライプド・バーズネストは、地面や木片の近くに、小さな巣のような杯をつくる菌である。底に並ぶ粒はペリジオールと呼ばれる小塊粒で、その内部に胞子が入る。鳥の卵のような楕円の立体ではなく、円盤からレンズ状の形をしている。University of Wisconsinの解説は、粒の内部の小室に担子器が並ぶ構造まで図示している。 [2]
アイオワ州立大学の写真では、木片の間に成熟した杯と白い膜を残す若い子実体が一緒に見える。開いた杯の底にある粒と、入口を塞ぐ膜は別の部分だ。写真の白い丸をすべて同じ卵として数えると、成長段階を取り違えてしまう。 [3]
内側は縦溝、外側は毛
本種を特徴付けるのは、杯の内側に走る縦の溝である。First Natureの記載では、外面には灰褐から橙褐色の毛がある一方、内面は毛がなく縦に筋立つ。小さな杯というだけでなく、内外で表面の構造が異なることが分かる。縦溝は底の円盤に描かれた放射模様ではない。 [4]
同じ記載で杯の口径はおよそ6〜10ミリメートル、小塊粒は1〜2ミリメートルとされる。粒の色は白っぽいものから灰、褐、黒まで幅がある。黒い粒を並べた一つの写真だけから、常に同じ色の粒を持つ菌と決めることはできない。杯の縦溝と外面の毛も合わせて見ると、より多くの特徴が分かる。 [4]
雨の力で粒を杯の外へ
杯の形は、胞子塊の散布と結び付いている。雨滴が杯の中へ落ちると、その衝撃で小塊粒が外へはね出す。胞子が傘のひだから直接落ちる一般的な傘菌とは、移動の単位が違う。外へ出るのは胞子を包んだ粒であり、鳥が卵を温める巣ではない。 [2]
小塊粒には細い糸状の構造が付いており、飛び出した際にほどけ、接着性のある部分が枝などへ触れると巻き付く。糸と付着部を使う仕組みまで含めて、菌の次の生活場所との接点が生まれる。どの粒も必ず同じ距離を飛ぶとはせず、画像だけで散布距離の数値を推定していない。 [2] [4]
木片に現れる分解者
アイオワ州立大学は、本種の栄養様式を腐生、基質を木質の破片として記す。Wisconsinの解説にも樹皮や木片マルチ上の大きな群れが紹介される。子実体は小さいため、一つだけでは目立たなくても、多数の杯が同じ材に現れると存在に気付きやすい。木片から出るという生活の場は、原画でも大切な手掛かりになる。 [3] [2]
First Natureには、英国の腐朽材や公園の木片からの記録があり、温帯の他地域にも触れている。ここでは確認できる欧州・北米の資料を中心に紹介し、未確認の国ごとの分布を足していない。ひとつの丸太に多数の杯があることから、その周辺のすべての木を同じ菌が占めているとも推測しない。 [4]
同じ杯形でもチャワンタケとは違う
杯形の子実体をつくる菌は一群だけではない。本種は担子菌であり、子のう菌のチャワンタケ類とは胞子をつくる仕組みが異なる。GBIFでは同じ綴りの動物名も存在するため、属種名だけの検索結果を使わず、Fungiと著者名を添えて受理記録を確認した。よく似たCyathus ollaなどとの比較では、内面の縦溝の有無も注目点となる。 [2] [1] [4]
読み分けるポイント
底の粒と白い蓋は同じものなのか?
違う。底の円盤状の粒は胞子を包む小塊粒で、白い蓋は若い杯を覆う膜である。成熟して膜が失われると、雨滴が入って小塊粒を散らせるようになる。作品では二つの部分と成長段階を分けている。 [2] [3] [4]
作品:ドットで描く判断
以下は制作時の原文と作品である。参照名や造形判断は制作時の記録として保持し、上の図鑑の分類範囲と区別する。
背景と記録
ストライプド・バーズネストは、地面や木片の近くに、小さな巣のような杯をつくる菌である。底に並ぶ粒はペリジオールと呼ばれる小塊粒で、その内部に胞子が入る。鳥の卵のような楕円の立体ではなく、円盤からレンズ状の形をしている。University of Wisconsinの解説は、粒の内部の小室に担子器が並ぶ構造まで図示している。
BASE STUDYは資料の形態を踏まえた新しい創作原画であり、採集標本の写真ではない。サイズ別作品では実物の識別点を残し、構図と色面を独立して設計している。
姿の解釈
杯の内面に並ぶ縦溝。外側を覆う褐色の毛。底に入った円盤状の小塊粒。雨滴を利用する胞子塊の散布。
ピクセルデザイン
64×64では縦溝のある杯と扁平な小皮子を識別の軸にした。整数格子で輪郭を接続し、細い器官と背景の境目を少数色の明暗で整えている。
補助作品と造形研究
24×24は識別点を少ない輪郭で整理した研究。補助64×64は別姿勢から形態を読む独立作品。128・384・768は構図・輪郭・色面・余白をそれぞれ設計し、BASEや小さい作品の拡大・トレースではない。
PIXEL ART / 24×24
特徴を絞り込んだ24×24作品。
BASE STUDY
ドットにする前に、体の比率と立体を検討した下描き。
縦溝のある杯と扁平な小皮子の立体と質感を検討した自然史イラスト。写真の複製や同定標本ではなく、資料の観察内容と創作的な表現を区別した完成原画である。
解像度別ネイティブ作品
NATIVE PIXEL ART / 128×128
識別点「縦溝のある杯と扁平な小皮子」を、大きな輪郭と少数の切り替え面で再配置。負の空間と傾いた主軸を設計した独立128×128作品。
NATIVE PIXEL ART / 384×384
主軸・重なり・器官の間隔を128版から描き替え、斜めの色面と分岐する線のリズムを組み合わせた独立384×384作品。
NATIVE PIXEL ART / 768×768
輪郭、器官の配置と視点を別に構成し、広い色面と細かな凹凸の密度を対比させた独立768×768作品。創作的な配色を実物の色の根拠にはしない。
特徴一覧
- 逆円錐形の深い巣状杯
- 明瞭な縦方向の溝
- 底にある扁平なレンズ状小皮子
出典・参考資料
図鑑の参照資料・確認範囲
- GBIF:Cyathus striatusの分類レコード — GBIF
- Cyathus striatus — Tom Volk's Fungus of the Month, May 2006 — University of Wisconsin / Thomas J. Volk
- Cyathus striatus — Striate bird's nest — アイオワ州立大学 Ada Hayden Herbarium
- Cyathus striatus — Fluted Bird's Nest — First Nature / Pat O’Reilly
出典は、本文・要旨・書誌情報・データベース・検索結果の抜粋を区別して示しています。引用の範囲を超えて種の性質を一般化しないでください。
- GBIF:Cyathus striatusの分類レコード GBIF ↗
- Cyathus striatus — Tom Volk's Fungus of the Month, May 2006 University of Wisconsin / Thomas J. Volk ↗
- Cyathus striatus — Striate bird's nest アイオワ州立大学 Ada Hayden Herbarium ↗
- Cyathus striatus — Fluted Bird's Nest First Nature / Pat O’Reilly ↗
このページでは、研究機関や公的資料で確認できる名称・分類・形態・分布の情報と、samesamebangbangによる造形の解釈を分けて書いています。特定の写真や図版を転載したり、そのまま模写したりはしていません。色や形には個体差があるため、ここに描いた姿を唯一の正解として示すものではありません。また、食べられるかどうかの判断や、採取・摂取のための資料でもありません。