暗赤色の小傘には深い溝がある

ブラジルの標本を扱う2022年の研究は、直径2.5〜16mmの薄い傘を記載する。形は半球状から円錐状の鐘形で、放射状の深い溝が入り、縁には波や角張ったひだ状の起伏が現れる。厚い肉のある大きな傘ではなく、薄膜のような小さな傘である。 [2]

色は暗い紫赤から血赤色、紫を帯びる赤などで、単純な真っ赤一色ではない。乾いた表面と深い溝によって、稜線とくぼみで明暗が変わる。資料の写真では、細いプリーツが下向きに折れるため、同じ傘でも見る角度によって多角形の輪郭が目立つ。 [2]

2022年の研究のFig.13は、ブラジルのJO533とJO1363という標本に対応する全身写真を示す。近縁群をまとめた一般的な画像ではなく、検討対象と写真の対応を追える資料である。本ページの造形も、この狭義の種を示す形態を基準にしている。 [2]

ひだは淡く、数も少ない

傘の下面には、白からクリーム色、白に淡い桃色を帯びるひだが疎らに並ぶ。2022年の記載は主要なひだを7〜10枚とする。傘面と同じ赤を全面に塗ったり、密集した細いひだを一様に詰めたりすると、資料が示す下面の姿とは異なってしまう。 [2]

ひだの縁にも濃い赤い線を持つものとはされていない。近縁のMarasmiusでは、ひだの縁の色や、胞子・シスチジアと呼ばれる細胞の形が比較に使われる。目を引く傘の色に加えて、淡い下面とひだの間の広いすき間を見ることが大切になる。 [2]

柄はごく細い糸状で、上の方はひだに近い淡色から、下へ向かって褐色、ほとんど黒い色へ変わる。基部の菌糸は少なく白っぽい。小傘を太い白柄へ置き換えた一般的なキノコ形ではなく、暗い細線で支えるような比率が特徴になる。 [2]

落葉の葉柄を足場にする

研究標本の生育基質は、森林の落葉層にある双子葉植物の葉柄などである。小さな子実体の足元は、土の色に紛れた細い植物遺体へつながる。枯れた植物を利用する生活と、作品の背景に置かれる落ち葉の意味を結び付けて読むことができる。 [2]

葉柄は葉の柄の部分を指し、菌の細い柄とは別の構造である。写真にはどちらも細線のように写るので、どの線が子実体で、どれが足場の植物遺体かを区別したい。低い位置の小型菌を理解するには、傘だけを切り抜いた図よりも、基部を含む資料が役に立つ。 [2]

一方で、2025年の研究が扱うオーストラリアの近縁種には、種ごとに異なる基質や環境の記録がある。それらの生活史を狭義のM. haematocephalusへまとめて足すことはできない。本ページの説明は、ブラジルの検討標本に対応する基質を中心にしている。 [2] [3]

世界中の同じ名が同じ種とは限らない

M. haematocephalusはブラジルから記載された後、広く熱帯に分布する種として報告されてきた。2022年の研究は、DNAと詳細な形態を併せて比較し、その広い概念が複数の種を含むと示した。狭義のM. haematocephalusは、多く見積もっても新熱帯区の種と位置付けられる。 [2]

2025年には、オーストラリアで従来この名の近縁群とされてきた標本を比較し、7つの新種を記載する研究が公刊された。現地でPurple Pinwheelなどと呼ばれた写真を、名前の印象だけでブラジルの狭義の種へ結び付けることはできない。 [3]

このため、本ページは世界中の赤紫の小傘を一種の分布として並べず、2022年のブラジル標本と、その境界を検討する研究に沿っている。新熱帯区という範囲も、そこに似た菌がいればすべて同種だという意味ではない。地理だけでなく標本ごとの検討が必要になる。 [2] [3]

色に加えてDNAと微細形態を比べる

2022年の研究は複数のDNA領域を用いた系統解析と、胞子や細胞の形態を合わせて種を検討した。全身写真だけでは似て見える菌にも、違う系統がある。傘の赤みが近いことと、同じ種であることは同義ではない。 [2]

2025年の研究も、色だけで種を判断する難しさを扱う。撮影時の光や個体の色幅を考え、遺伝子資料と詳細な観察を組み合わせる必要がある。明るい紫、血赤、桃色という色の呼び方を足すだけでは、別の種を見分ける根拠にはならない。 [3]

肉眼で見える溝の深さ、柄との比率、ひだの数と色は重要な入口である。ただし、作品は顕微鏡標本や配列データを含まない。小さなプリーツ傘という共通像を楽しむことと、自然の中で個体の学名を確定することは、別の段階の作業である。 [2] [3]

掲載呼称と分類

ブラッドレッド・マラスミウスは、Blood-red Marasmiusに基づく本サイトの掲載呼称で、対象学名をMarasmius haematocephalusとして紹介する。GBIFの現在の分類はハラタケ目・ホウライタケ科のMarasmius属で、種として受理される。掲載名の色の語を、すべての近縁種を含む分類名としては使わない。 [1] [2]

作品では暗赤の薄い傘、深い放射状の溝、疎らな淡いひだ、暗い糸状の柄の関係を残す。サイズ別の作品では構図を変えているが、別の大陸の近縁種の姿を色替えで取り込んではいない。学名に対応する資料の範囲を意識することが、小さな形の違いを楽しむ手掛かりになる。 [2] [3]

読み分けるポイント

熱帯の紫色の小傘はすべてこの種?

同じとは限らない。近年のDNA・形態研究は、従来M. haematocephalusと広く呼ばれた菌が複数種を含むと示した。本ページはブラジルの検討標本に対応する狭義の種を扱い、豪州などの近縁種を混ぜていない。 [2] [3]

作品:ドットで描く判断

以下は制作時の原文と作品である。参照名や造形判断は制作時の記録として保持し、上の図鑑の分類範囲と区別する。

ブラッドレッド・マラスミウスの主作品・64×64ピクセルアート
現行64×64主作品・既存モーション(生物の行動の同定資料ではない)

背景と記録

ブラジルの標本を扱う2022年の研究は、直径2.5〜16mmの薄い傘を記載する。形は半球状から円錐状の鐘形で、放射状の深い溝が入り、縁には波や角張ったひだ状の起伏が現れる。厚い肉のある大きな傘ではなく、薄膜のような小さな傘である。

BASE STUDYは資料の形態を踏まえた新しい創作原画であり、採集標本の写真ではない。サイズ別作品では実物の識別点を残し、構図と色面を独立して設計している。

姿の解釈

暗赤色から暗い紫赤色の深く溝の入る小傘。数が少なく疎らな白からクリーム色のひだ。下方が暗褐色になる糸状の細い柄。

ピクセルデザイン

64×64では襞のある赤い薄傘と疎な白いひだ、極細の暗色柄を識別の軸にした。整数格子で輪郭を接続し、細い器官と背景の境目を少数色の明暗で整えている。

補助作品と造形研究

24×24は識別点を少ない輪郭で整理した研究。補助64×64は別姿勢から形態を読む独立作品。128・384・768は構図・輪郭・色面・余白をそれぞれ設計し、BASEや小さい作品の拡大・トレースではない。

ブラッドレッド・マラスミウスの24×24作品

PIXEL ART / 24×24

特徴を絞り込んだ24×24作品。

ブラッドレッド・マラスミウスの造形研究用BASE STUDY

BASE STUDY

ドットにする前に、体の比率と立体を検討した下描き。

襞のある赤い薄傘と疎な白いひだ、極細の暗色柄の立体と質感を検討した自然史イラスト。写真の複製や同定標本ではなく、資料の観察内容と創作的な表現を区別した完成原画である。

解像度別ネイティブ作品

特徴一覧

  • 放射状に深く折れる薄い赤傘
  • 数の少ない淡色のひだ
  • 非常に細い針金状の柄

出典・参考資料

図鑑の参照資料・確認範囲

  1. GBIF:Marasmius haematocephalusの固定種レコード — GBIF Backbone Taxonomy確認日 2026-10-18/データベース記録
  2. Marasmius haematocephalusとM. siccus種複合体の再検討 — J.J.S. Oliveira・M. Capelari・S. Margaritescu・J.-M. Moncalvo/Cryptogamie, Mycologie確認日 2026-10-18/本文
  3. Purple Pinwheel and more:豪州の種複合体の研究 — F.E. Guard・J. Dearnaley・T. Lebel/Fungal Systematics and Evolution確認日 2026-10-18/本文

出典は、本文・要旨・書誌情報・データベース・検索結果の抜粋を区別して示しています。引用の範囲を超えて種の性質を一般化しないでください。

このページでは、研究機関や公的資料で確認できる名称・分類・形態・分布の情報と、samesamebangbangによる造形の解釈を分けて書いています。特定の写真や図版を転載したり、そのまま模写したりはしていません。色や形には個体差があるため、ここに描いた姿を唯一の正解として示すものではありません。また、食べられるかどうかの判断や、採取・摂取のための資料でもありません。