赤い腕は、花びらではない
白から桃色の短い柄の先で、赤い腕が放射状に広がる。腕の先は二つに分かれ、上から見ると花やイソギンチャクを思わせる。オーストラリア国立植物園が掲げる写真は、星状の頂部と、それを持ち上げる柄をはっきり示す。 [2] [3]
目立つ赤は花弁ではなく、菌の子実体の一部である。格子状の籠をつくるClathrus ruberとも、地際から長い腕を広げるClathrus archeriとも、組み立てが違う。赤色だけでなく、腕がどこから出るかを読むことが識別につながる。 [2] [3] [1]
空洞の柄と、卵からの展開
茎の断面写真では、中空になった柄の構造が見える。外側はなめらかな一本の棒というより、スポンジ質の壁で輪をつくる。地際には若い子実体を包んでいた外皮が残り、その上へ柄と星状の頂部が伸びる。 [3] [2]
成熟した赤い星形だけを見ると、若い卵状の姿とつながりにくい。国立植物園の生態解説には、回収した卵状の子実体を成熟させて本種と分かった事例も記される。成長段階を分けることで、全く別の形が同じ生活史に属すると理解できる。 [4]
においと暗い粘液が胞子を運ぶ
赤い腕の基部付近には、オリーブ褐色から暗褐色の粘液が載る。スティンクホーンの仲間では、このにおいのある粘液に胞子が含まれる。国立植物園は、腐肉に集まるハエ類などを呼び、胞子が運ばれる仕組みを説明している。 [5] [2]
同資料は本種の赤色を、虫に対する視覚的な手掛かりとしても挙げる。見た目とにおいの組合せが注目点になるが、どの虫も同じように働くとまでは言えない。作品の赤い腕と暗い中心は、この異なる役割を持つ部分として描き分ける。 [5]
豪州で採集され、名が付いた菌
一七九二年、フランスの博物学者ラビヤルディエールは、タスマニア南部のルシェルシュ湾で本種を採集した。一八〇〇年に記載されたこの菌を、国立植物園はオーストラリアで最初に採集・記載された菌として紹介する。 [6]
現在の国立標本館の地域リストにもAseroe rubraの名と標本の記録がある。歴史上の最初の記載と、後の地域での確認は、同じ意味の情報ではない。派手な形の一枚の写真だけでなく、採集と保存の積み重ねが名前を支えている。 [8] [6]
人の移動に伴って運ばれた記録
一八二九年には、オーストラリアから持ち込まれた土を使うロンドンの植物園の温室で本種が見つかった。国立植物園の菌類地理の解説は、植物や土の移動とともに菌が意図せず運ばれる例として挙げる。 [7]
この温室の記録を、そのまま英国全域の野生分布とは扱わない。同資料は、さらに後の屋外での発見も区別して記す。分布の話では、原産地の記録、温室での出現、屋外への定着を同じ地図の点として混ぜないことが大切だ。 [7]
読み分けるポイント
赤い星形は、花や海のイソギンチャクなのか?
花ではなく菌の子実体で、短い中空の柄の先から二叉の腕が広がる。暗い粘液に胞子を含み、においに集まる虫を利用して胞子が運ばれる。海中に暮らすイソギンチャクとは分類も生活も違う。 [2] [3] [5] [1]
作品:ドットで描く判断
以下は制作時の原文と作品である。参照名や造形判断は制作時の記録として保持し、上の図鑑の分類範囲と区別する。
背景と記録
白から桃色の短い柄の先で、赤い腕が放射状に広がる。腕の先は二つに分かれ、上から見ると花やイソギンチャクを思わせる。オーストラリア国立植物園が掲げる写真は、星状の頂部と、それを持ち上げる柄をはっきり示す。
BASE STUDYは資料の形態を踏まえた新しい創作原画であり、採集標本の写真ではない。サイズ別作品では実物の識別点を残し、構図と色面を独立して設計している。
姿の解釈
先が二つに分かれる赤い腕。短い白〜桃色の中空の柄。中央に集まる暗褐色の胞子粘液。基部に残る白い卵状の外皮。
ピクセルデザイン
64×64では二又の赤い腕と中央の粘液面、淡い中空柄を識別の軸にした。整数格子で輪郭を接続し、細い器官と背景の境目を少数色の明暗で整えている。
補助作品と造形研究
24×24は識別点を少ない輪郭で整理した研究。補助64×64は別姿勢から形態を読む独立作品。128・384・768は構図・輪郭・色面・余白をそれぞれ設計し、BASEや小さい作品の拡大・トレースではない。
PIXEL ART / 24×24
特徴を絞り込んだ24×24作品。
BASE STUDY
ドットにする前に、体の比率と立体を検討した下描き。
二又の赤い腕と中央の粘液面、淡い中空柄の立体と質感を検討した自然史イラスト。写真の複製や同定標本ではなく、資料の観察内容と創作的な表現を区別した完成原画である。
解像度別ネイティブ作品
NATIVE PIXEL ART / 128×128
識別点「二又の赤い腕と中央の粘液面、淡い中空柄」を大きな輪郭と交差する色面で構成した独立128×128作品。
NATIVE PIXEL ART / 384×384
器官の向き、重なりと輪郭を128版から描き替え、斜めの面と細い反復線を対比した独立384×384作品。
NATIVE PIXEL ART / 768×768
別の主軸と器官配置から全体を構成し、広い色面と細密な構造の密度差を設計した独立768×768作品。創作の色は実際の菌の色を示すものではない。
特徴一覧
- 先端が二又になる赤い腕
- 中央の暗い粘液面
- 淡い中空のスポンジ状柄とつぼ
出典・参考資料
図鑑の参照資料・確認範囲
- GBIF: Aseroe rubraの分類レコード — GBIF
- Aseroe rubra — captioned photograph — オーストラリア国立植物園
- Aseroe rubra — cross-section of stem — オーストラリア国立植物園
- Fungi and vertebrates — オーストラリア国立植物園
- Fungi and invertebrates — オーストラリア国立植物園
- The study of Australian fungi: before the twentieth century — オーストラリア国立植物園
- Mycogeography: imports, exports and puzzles — オーストラリア国立植物園
- ACT Plant Census 2017: Fungi — オーストラリア国立標本館
出典は、本文・要旨・書誌情報・データベース・検索結果の抜粋を区別して示しています。引用の範囲を超えて種の性質を一般化しないでください。
- GBIF: Aseroe rubraの分類レコード GBIF ↗
- Aseroe rubra — captioned photograph オーストラリア国立植物園 ↗
- Aseroe rubra — cross-section of stem オーストラリア国立植物園 ↗
- Fungi and vertebrates オーストラリア国立植物園 ↗
- Fungi and invertebrates オーストラリア国立植物園 ↗
- The study of Australian fungi: before the twentieth century オーストラリア国立植物園 ↗
- Mycogeography: imports, exports and puzzles オーストラリア国立植物園 ↗
- ACT Plant Census 2017: Fungi オーストラリア国立標本館 ↗
このページでは、研究機関や公的資料で確認できる名称・分類・形態・分布の情報と、samesamebangbangによる造形の解釈を分けて書いています。特定の写真や図版を転載したり、そのまま模写したりはしていません。色や形には個体差があるため、ここに描いた姿を唯一の正解として示すものではありません。また、食べられるかどうかの判断や、採取・摂取のための資料でもありません。