基本情報
- 掲載呼称(属名のカナ表記)
- ロリキカリス・スピノカウダトゥス
- 英字表記(属名)
- Loricicaris
- 学名
- Loricicaris spinocaudatus
- 分類
- 節足動物・ヒメノカリナ類・プロトカリス科
- 時代
- 中期カンブリア紀・ウリューアン期
- 化石産地・発見地域
- カナダ・ブリティッシュコロンビア州、マウント・スティーブンのコリンズ採石場
ロリキカリス・スピノカウダトゥスとは?
ロリキカリス・スピノカウダトゥスは、前半を大きな二枚背甲が包み、後ろに多くの節をもつ細い体が続く節足動物です。背甲は背側の接合部がまっすぐで、横から見ると腎臓形に近い輪郭になります。後半の体節には細かな三角形の棘が並びます。
体の末端には棘を備えた尾節と、その左右から伸びる二本の突起があります。前方には太めの短い触角状付属肢と、先端が二叉する別の付属肢が見られます。丸い殻と細かく刺のある後体との対比が、普通のエビとは異なる姿をつくります。
形を見分けるポイント
- 体長のおよそ三分の二を覆う二枚背甲
- 後体の多数の細い体節と短い棘
- 二叉する前方付属肢の先端
- 尾節の左右に分かれる二本の突起
化石からわかること
本種は、以前ブランキオカリスの幼体などとして扱われていた資料の再検討から記載されました。側面が見えるホロタイプROM62143と腹面を見せるパラタイプROM43188を照合すると、殻の外形だけでは隠れてしまう体や肢の構造が分かります。
原著は背甲に淡い網目模様があること、胴肢の外側枝が前方の薄片状から後方の細い棒状へ変化することを記載しています。見える体節数は保存状態で変わり、眼とされる構造も確実ではありません。単一の標本の数字や眼の解釈を、全個体の確定形態にはしません。
殻の下と殻の後ろで変わる体
背甲の下では体節や肢が重なり、輪郭だけから節数を数えることは困難です。一方、殻の後ろに出た細い体節には棘が連続します。脱落や圧縮で殻がずれる場合もあるため、見えている体の長さがそのまま生体の比率を示すとは限りません。
殻の表面の細かな網目と、後体に反復する棘は、互いに違う質感をもつ観察点です。中央に一本の長い尾棘を置いたり、現生エビの尾扇に変えてしまったりすると、原著が示す二本の尾端突起との違いが失われます。
似た二枚背甲動物との違い
ブランキオカリス、カナダスピス、ペルスピカリスとは共通する特徴がありますが、本種はそれらを継ぎ合わせた仮の姿ではありません。殻、特殊化した前方付属肢、棘のある体節、胴肢の組合せによって新属として区別されました。
食性は確定していません。海底付近で泳いだり有機物を利用したりする生活が議論されていますが、特定の捕食者だと断言する証拠は不足しています。図鑑では、体の形から考えられる生活と、実際に確認された食物を分けて説明します。
復元の解釈
BASEは背甲の厚みと細い後体の棘を分け、眼は強調しません。前方付属肢の二叉した先端も、現生のカニの大きな鋏へ置き換えません。色や殻の光沢は復元表現です。
サイズ別作品では横向きの輪郭、腹側の薄片状の肢、網目状の背甲と尾節の細部を別々の構成にします。体節の繰返しが途切れて、体が割れて見えないよう連結も確認します。
ドットアートの見どころ
24×24の主作品は、特徴を絞った輪郭と色面で表しました。64×64の補助作品は、その輪郭と保存構造を見比べるための作品です。小さい作品の線や点は器官数や体節数の計測図ではありません。
128×128、384×384、768×768は、部位・視点・姿勢・色面と空間の関係を変え、それぞれの整数キャンバスへ独立して描きました。他サイズやBASEの拡縮、トレースは使っていません。
BASE STUDYはAI支援の自然史イラストで、標本写真ではありません。保存された構造と、色・厚み・質感・立体的な姿勢の解釈を分けて紹介しています。部分化石の作品は、未知の全身を確定した復元ではありません。
作品と造形研究

AI支援の復元イラスト。色・質感・姿勢は解釈を含みます。




よくある疑問
ブランキオカリスの別名ですか?
かつてその属に含められた資料がありますが、特徴の組合せを再検討した結果、Loricicaris spinocaudatusとして区別されています。
前の付属肢は鋏ですか?
原著では先端が二叉すると記載されますが、別々の節が向かい合う真の鋏とは区別しています。大きなカニの鋏を描く根拠にはしません。
関連する作品
出典・参考資料
出典は化石・研究内容の確認に用いています。ここに掲載するドットアートは、資料にある標本写真の転載ではありません。
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