基本情報

掲載呼称(属名のカナ表記)
バティウリスクス・ロトゥンダトゥス
英字表記(属名)
Bathyuriscus
学名
Bathyuriscus rotundatus
分類
節足動物・三葉虫類・コリネクソクス目・Dolichometopidae
時代
カンブリア紀中期(スティーヴン層のBathyuriscus–Elrathina帯の標本を中心に紹介)
化石産地・発見地域
カナダ・ブリティッシュコロンビア州のスティーヴン山周辺。ノースウエスト準州のマウント・キャップ層にも産出記録

バティウリスクス・ロトゥンダトゥスとは?

背側の外骨格は細長い楕円形で、半円形の頭、関節のある胸部、半円形の尾部の盾に分かれます。スティーヴン山の成体では胸部に9節が記載され、尾の盾の縁には長い棘がありません。

頭の中央のふくらみである頭鞍は、後方では比較的細く、前方で幅を広げます。眼は頭鞍の近くに位置し、頬の後ろ側は短い棘へ続きます。尾の中央軸にも複数の環と末端部があり、単純な丸い板だけではありません。

形を見分けるポイント

  • 前方で幅を広げる頭鞍とその近くの眼
  • スティーヴン山の成体で9節の胸部
  • 長い縁棘を欠く、半円形の尾の盾

化石からわかること

1887年の記載ではEmbolimus rotundataという組み合わせが使われ、その後Bathyuriscus rotundatusへ改められました。現在の属名と、古い文献や標本ラベルの名前を対応させることが、同じ化石を二重に数えないためにも役立ちます。

2022年には、北部カナダのマウント・キャップ層の標本も詳しく記載されました。尾の軸環の数や頬の棘の長さには変化が認められ、単一の標本の細部だけで、すべてを別種へ分けない検討が行われています。

頭と尾をつなぐ関節

頭の中央と胸部の中央軸、尾の中央軸をつなげて見ると、左右の平たい部分との違いがはっきりします。三葉虫の「三葉」はこの縦方向の区分に関係し、頭・胸・尾の三つを数えただけの名前ではありません。

本種の背側の外骨格は多くの標本で比較できますが、鉱物化していない腹側の器官は博物館の解説では不明とされています。よく残る背中の情報量と、腹側の脚の確かさは同じではないため、作品は背側の構造を中心にしています。

成長と脱皮で変わる見え方

三葉虫では脱皮に伴って頬の一部が外れます。博物館の標本にも、頬を備えた個体と、それを失った脱皮殻と推定されるものがあります。欠けている部分を、そのまま生体に存在しなかった特徴と読まない注意が必要です。

2022年の研究では、若い成体段階の尾の盾が小さく三角形寄りで、尾軸の環も少ないことなどが述べられています。丸い尾の成体像だけでなく、成長段階や保存状態を合わせると、標本ごとの違いをより丁寧に理解できます。

復元の解釈

スティーヴン山の成体で説明される背側の構造を軸にしています。腹側の脚や触角を、別の三葉虫から借りて確定した本種の器官として加えていません。

色、表面の質感、立体の傾きは表現上の解釈です。尾の環の数や棘の長さに研究上の変化があるため、小さなドット版を標本計測の代わりにはしていません。

ドットアートの見どころ

24×24の主作品は、特徴を絞った輪郭と色面で表しました。64×64の補助作品は、その輪郭と保存構造を見比べるための作品です。小さい作品の線や点は器官数や体節数の計測図ではありません。

128×128、384×384、768×768は、部位・視点・姿勢・色面と空間の関係を変え、それぞれの整数キャンバスへ独立して描きました。他サイズやBASEの拡縮、トレースは使っていません。

BASE STUDYはAI支援の自然史イラストで、標本写真ではありません。保存された構造と、色・厚み・質感・立体的な姿勢の解釈を分けて紹介しています。部分化石の作品は、未知の全身を確定した復元ではありません。

作品と造形研究

よくある疑問

尾に長い棘はありますか?

成体の尾の盾には長い縁棘がないことが比較点です。胸部の先や頬の棘と、尾の縁を区別して見ます。

腹側の脚も同じ精度で分かりますか?

本種でよく記載されるのは背側の外骨格です。ここでは未知の腹側器官を確定した形として描き足していません。

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出典・参考資料

  1. Bathyuriscus rotundatus — Royal Ontario Museum
  2. Handkamer et al. (2022), Biostratigraphy and paleoecology of the trilobite faunas from the Mount Clark and Mount Cap formations

出典は化石・研究内容の確認に用いています。ここに掲載するドットアートは、資料にある標本写真の転載ではありません。

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